映画 | Don’t Look Back in Anger

the sky is clear

先週金曜の夜、仕事終わりにOasisのDon’t Look Back in Angerを観に行った。オフィスに比較的近いTOHOシネマズ日比谷の最終回を予約していたのだが、幸か不幸か珍しく会社から在宅を指示された日だったため、結局1時間以上かけて電車を乗り継いで行った。家を出る前に緊張して、意味なく歯磨きしたり、日焼け止めを塗ったりした。誰に会うわけでもないのに。気分としては、二人に会いにいくつもりだった。10分前くらいに着いてみると、座席はほぼ埋まっていた。15本くらいの予告編と訳のわからないクレジットカードの勧誘映像が20分程度続いた後、本編が始まった。

一応ハンカチも尻のポッケに入れておいたのだが、出番はなかった。僕の目からはマジで涙が出ない。それでも、観ている間身体が熱っていて、自分でも高揚しているのがわかった。東京ドームに観に行った時のことをはじめ、再結成を予告する投稿をインスタグラムで見たこと、高校生の時に彼らの曲をいくつもコピーしたこと、Live Foreverのギターフレーズを耳にした瞬間、当時の自分の世界にヒビが入って眩い光が差してきたように思ったこと、12歳でWhateverを聴いた時「完ぺきだ」と思ったこと、などが脳裏に流れるのを何となく意識しながら、スクリーンの映像を追った。二人が約16年ぶりにスタジオで顔を合わせる場面、遅れて入ってきたリアムに、ノエルが笑みを浮かべながら近寄っていくところで、何か言いようのない気持ちがぶわっと胸に広がった。リアムの(本人曰く、非常に気を遣った結果としての)事もなげな振る舞いに、少し肩透かしをくらった感じはあった。さらに、これからどうなるんだろう、と息を呑んで続きを見届けるうちにリハーサルは終わり、リアムはスタジオから出て行った。終盤でノエルが言うように、二人の関係が直接的な言葉を交わさずに修復されたのだとしたら、その振る舞いは二人にとって正しかったのだろうと思う。それにしても、繰り返しになるがノエルが微笑みながらリアムに歩み寄る姿に、僕はとてつもなく感動した。本当に、優しい笑顔だった。二人がまた出会ってくれてよかったと思った。

印象的な場面や台詞がいくつもあった。リアムと並んで座るノエルが、Oasisの曲は”we”について書かれているんだ、と言ったとき、ずっと前からそれに勇気づけられてきたよ、と言いたくなった。辛いとき、Stay Youngなど歌詞に”we”が出てくる歌を聴いていると、気の置けない仲間が肩を組んでくれているような気がして、涙が込み上げてくることが何度もあった。爆発的に売れてから30年以上経った今でも同じことを言い続けているのは、あらためて考えると、到底当たり前のことではないと思う。

Supersonicの冒頭の歌詞を体現し続けたのがリアムだ、とノエルが言っていた。そのあたりで、僕は自分がどんな服を着たいのか、どんな振る舞いをしたいのか、自分をどんなことに使いたいのか、などが一気にわかった感じがした。ぼんやり迷っているような状態が緩く続くと、そういうことが兎角曖昧になりがちで、何を目指すべきなのかわからなくなるが、僕の場合は12歳の時からその指針を知っていたことになる。自分が必要とする遠回りの長さにため息が出そうになるが、それはそれで自分のものと抱きしめて、より良くやってみようとするしかないのかもしれない。明日はいつも新しい日だ!

今日は、転職用の履歴書を書いていたら終わった。夕方、家の外を祭囃子が通り過ぎていった。すっかりその音が遠かったところで、スーパーに買い物に行き、パスタソース2種と歯ブラシを買った。夕飯は、厚揚げと茄子の炒め物とパスタ。明らかに、パスタではなくご飯にするべきだった。作っている間に「なんかおかしいな」と思ってはいたが止められなかった。パスタを食べようとしている自分と、和食を食べようとしている自分が、本来別のレースに出るはずが気づくと同じ回に出場していて、間違ったまま同着でゴールしたような、そんな感じだった。

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