連日の悪天候が台風の接近で極まると同時に、自分の調子の悪さもピークを迎えた。昨日は一日中ケータイで銀魂のアニメを観ていた。離れようとしたタイミングもあったが、どうしても区切りをつけることができなかった。完全に中毒だった。
だが、一夜が明けて台風が去ると、身体のだるさが抜けた。全身の筋肉が安堵しているような感覚があった。少し調べてみたところ、低気圧に居住地域が覆われると、人体はそれを脅威とみなして、交感神経を通常よりも活発に働かせるという。つまり、人体は天気が悪い間、自動的に気を張り続けてしまう仕組みを持っているということだ。この神経の働きを適度に緩和させられれば、天気の影響を軽減させることもできるのだろうが、僕の生活者としてのレベルはそこには到達していない。仮にここで、企業中心的な社会に染まった「立派な大人」たちに喋らせたとしたら、それを「自己管理」という題目で括って、「体調管理も仕事のひとつ」という気色の悪い奴隷根性に収斂させるのだろう。そういうのは最悪だよなと思う。自分の体調を気にかけるのはひとえに自分にとって心地よい状態をつくるためであって、臓器まで管理された奴隷として企業に仕えるためではない。
先日、コンビニで買った商品に虫みたいなものが入っていた。一応連絡しておいた方がいいかな、と思い、そのコンビニの公式サイトから問い合わせメールを送ったところ、製造会社の方から現物の確認と返金に行くと連絡が返ってきた。それからというもの、頭の中で言い訳が止まらなかった。面倒な客に因縁をつけられるよりは、僕みたいなのから報告を受けた方がマシだろう、といったような。
昨日の朝、電話で担当の方から連絡があり、しばらくして自宅の呼び鈴が鳴った。ドアを開けるとスーツを着た男の人が立っていて、名刺を取り出す手が震えていた。その時になって「あ、虫みたいなのが入ってる」と僕が思った時の気持ちと、この担当の方が虫の混入を知らされた時の気持ちが、想像よりもずっと大きく異なることに気づいた。虫を容器から取り出したり、ルーペで確認したりする間も、彼の手はずっと震えていた。その様子を眺めながら静かに驚くとともに、こんなことするんじゃなかった、と思った。台風で雨と風が吹き荒れる日に呼びつける形になってしまったことも申し訳なかった。話を聞くと、虫は穀物につく種類だと思われる、とのことだった。それなら仕方のないことだと思った。持ってきてもらったお菓子を受け取り、ドアを閉めた。封筒に入った返金分は、中身を確認せずにざーっと財布に流し込んだ。
ジモティでラグを出品していたのだが、一向に反応がないので0円にした。早速問い合わせがあり、見ると淡い色合いの蛙のイラストをアイコンにした人からだった。その人についているレビューが5,000件以上あるのが目に入り、なんとなくその内訳を見に行くと、低い評価をつけている人たちから一様に「この人はネカマだ」と告発されていた。その人には、受け渡し日時の候補を送ってほしい、とお願いしていたが、次に連絡をくれた人との日時調整が先に済んだため、断りの連絡を入れた。すると、「残念です」という趣旨のメッセージに続き、朝の天気予報で気象予報士の方が読み上げるような挨拶が届いた。どう返すべきか少し考えた挙句、何も返さないことにした。


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